この記事を書いた人
はり師・きゅう師(国家資格) 整骨院勤務15年の現役鍼灸師パパ。 肩こり・腰痛・産後ケアを専門に、のべ数千名を施術。 現在は0歳の息子を育てながら、リアルな育児体験をもとに情報発信中。
この記事について: 整骨院で15年間、赤ちゃんや育児中のパパ・ママを診てきた経験と、息子の夜泣きと向き合ってきた実体験をもとに書いています。梅雨の時期に夜泣きが増えるメカニズムは、東洋医学の「湿邪」という考え方でとてもうまく説明できます。気候と体の関係に関心のある方にもぜひ読んでほしい内容です。
梅雨が近づくと、「なんか最近また夜泣きが増えた気がする…」と感じているパパ・ママはいませんか?実はこれ、気のせいではありません。この記事では、整骨院15年・鍼灸師パパが梅雨と赤ちゃんの夜泣きの関係を東洋医学的に解説し、家庭でできる具体的な対策をお伝えします。
梅雨の時期は、気圧・湿度・気温が毎日のように変化します。大人でも「なんとなくだるい」「頭が重い」と感じやすい季節ですよね。実は赤ちゃんは、その影響を大人よりも強く受けやすいのです。
東洋医学では、季節や気候は体に直接影響を与える「外邪(がいじゃ)」として考えられています。梅雨に関係するのは**「湿邪(しつじゃ)」**と呼ばれる邪気です。
湿邪は体に余分な水分(湿気)をため込み、体内の「気(き)」の流れを滞らせます。気の流れが乱れると、眠りが浅くなったり、情緒が不安定になったりしやすくなります。
赤ちゃんはもともと胃腸が未発達で、水分代謝の調整が苦手。そのため大人よりも湿邪の影響を受けやすく、「なんとなく体がすっきりしない」状態が続きやすいのです。
梅雨の時期は低気圧が頻繁にやってきます。気圧が下がると、体内の内耳(バランス感覚を担う器官)が刺激を受け、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
赤ちゃんの自律神経はまだ発達途中。気圧の変化に対応する力が弱いため、大人よりも敏感に反応してしまいます。その結果、落ち着きがなくなったり、睡眠が浅くなったりするのです。
「梅雨になったら夜泣きが増えた」というのは、以下のような複数の要因が重なって起きています。
梅雨の時期は日照時間が短くなり、「セロトニン(幸せホルモン)」の分泌が減ります。セロトニンは夜に「メラトニン(睡眠ホルモン)」に変わるため、セロトニンが足りないと睡眠の質が下がります。
赤ちゃんはまだ体内時計が確立されていないので、日照不足の影響を特に受けやすいです。
湿度が70〜80%を超えると、汗が蒸発しにくくなり、体温調節がうまくいかなくなります。「暑くも寒くもない」中途半端な不快感が続くと、赤ちゃんは眠りを維持しにくくなります。
東洋医学では「親の気は子に伝わる」と考えます。パパ・ママが梅雨の不調でイライラしたり、ぐったりしていると、赤ちゃんもその空気を感じ取ります。赤ちゃんはとても敏感で、親の感情的な状態を肌で感じる生き物です。
夜泣きのタイプについてはこちらも参考にしてみてください。 → 夜泣きの東洋医学的な3タイプ|見分け方と対処法
湿邪の影響を防ぐためにいちばん有効なのが、室内の湿度管理です。除湿機やエアコンの除湿機能を使って、50〜60%に保ちましょう。
湿度が高すぎると不快感が増し、低すぎると乾燥で喉や肌のトラブルにつながります。湿度計を一つ置いておくと管理がしやすくなります。
梅雨は気温が不安定で、昼夜の寒暖差が大きくなることがあります。寝室の室温は26〜27℃を目安に整えてあげましょう。
エアコンは「直接風が当たらないよう」に注意。赤ちゃんはタオルケット一枚で十分なことが多いです。
梅雨は室内のカビや湿気が増えやすい時期です。寝具の湿気を取るために、週1回は布団を干す(難しければ布団乾燥機を)ことをおすすめします。
睡眠環境の整え方については、こちらも参考にどうぞ。 → 睡眠環境を整える|赤ちゃんが眠りやすい部屋づくり
梅雨時期は「なんとなく肌寒い」と感じて厚着させすぎることがあります。でも湿度が高い日は、薄手の肌着1枚でも十分なことが多いです。
背中に手を入れて「しっとりしている=暑い」「さらっとしている=適温」で確認するのがおすすめです。
晴れ間が出た日には積極的に外に出て、日光を浴びさせましょう。セロトニンの分泌が促され、夜の睡眠の質が上がります。室内でも電気を明るくして、昼と夜のメリハリをつけることが大切です。
直接ツボを押すのが難しい赤ちゃんには、優しくさするだけでも効果があります。
場所: 手首の内側、横じわから指3本分ひじ側のくぼみ。
不安感や情緒不安定に効くツボです。夜泣きが激しいとき、赤ちゃんの手首を優しく包むようにして、親指でそっと押してあげてください。「さする」程度でも十分です。
場所: 手首の内側、小指側のくぼみ(手のひら側)。
「心(こころ)」に関わるツボで、興奮を鎮めて眠りを深くする働きがあります。入眠前に優しくなでてあげると効果的です。
夜泣きに効くツボについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 夜泣きに効くツボ3選|寝る前に試してほしいアプローチ
赤ちゃんのケアだけでなく、パパ・ママ自身も梅雨の不調に注意が必要です。
梅雨に起きやすい大人の症状:
こういったとき、東洋医学では「脾(ひ)」の働きを助けることが大切とされています。水分代謝を整える食材(はと麦・小豆・とうもろこし)を日常の食事に取り入れてみてください。
親が元気でいることが、赤ちゃんの夜泣き対応の一番の土台です。無理せず、できることから始めてみてください。
Q1. 梅雨が明けたら夜泣きは自然に落ち着きますか?
多くの場合、梅雨が明けて気候が安定してくると夜泣きも落ち着いてきます。ただし、その後も成長に伴う夜泣きは続くことがあります。梅雨時期に試した対策(湿度管理・入眠ルーティンなど)は、通年でも役立ちますので続けてみてください。
Q2. エアコンの除湿と冷房、どちらがいいですか?
除湿(ドライ)モードの方が温度を下げすぎず、湿度だけを調整できるのでおすすめです。ただし機種によっては除湿の方が電気代がかかることも。「冷やしすぎない程度の冷房+除湿」でも問題ありません。
Q3. 雨の日の前から夜泣きが始まるのはなぜ?
低気圧は雨が降る前から近づいてきます。気圧センサーのような機能を持つ内耳が敏感な赤ちゃんは、雨が降り始める数時間前から影響を受けることがあります。「天気が崩れそうな日の前日」から夜泣きが増えるのは、こうした気圧変化への反応と考えられます。
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| 湿度管理 | 50〜60%をキープ(除湿機・エアコン活用) |
| 室温調整 | 26〜27℃前後、直接風は当てない |
| 服装の見直し | 背中の汗で確認、薄着にする |
| 日光・昼夜メリハリ | 晴れ間に外出、室内は昼は明るく |
| ツボケア | 内関・神門をやさしくなでる |
| 親の体調管理 | 食事・水分・休息を意識する |
今日からできるアクション:
梅雨の夜泣きは、対策次第で乗り越えられます。ひとりで抱え込まず、できることから少しずつ試してみてください。