この記事を書いた人
はり師・きゅう師(国家資格) 整骨院勤務15年の現役鍼灸師パパ。 肩こり・腰痛・産後ケアを専門に、のべ数千名を施術。 現在は0歳の息子を育てながら、リアルな育児体験をもとに情報発信中。
妻が息子を産んで2週間ほど経ったころ、「なんか最近、涙が止まらなくて…。おかしいのかな」とつぶやきました。
その言葉を聞いたとき、正直どう反応すればいいか分からなかった。でも整骨院で産後のママたちを診てきた経験から、「これは産後うつのサインかもしれない」とすぐに気づきました。
今日は、産後うつについてパパの立場からもお伝えしたいと思います。
産後うつは、出産後に起こる気分の落ち込みや不安感が強くなった状態のことです。「産後ブルーズ(マタニティブルー)」とは異なり、長期間続くのが特徴です。
産後ブルーズは出産後2〜3日にピークを迎え、多くの場合2週間以内に自然と落ち着きます。ホルモンの急激な変化によるもので、涙もろくなったり気分が不安定になったりしますが、比較的軽く経過します。
一方、産後うつは出産後1〜3ヶ月以内に始まることが多く、適切なサポートや治療がないと長引くことがあります。
医療現場でよく使われているセルフチェックに「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」があります。10項目の質問に答えるだけで、産後うつのリスクを確認できます。
ネット検索で「EPDS 産後うつ」と調べると無料で閲覧できるので、気になる方はぜひ試してみてください。合計点が9点以上の場合は、専門家への相談を強くおすすめします。
鍼灸師として、産後の体を東洋医学の視点でもお伝えします。
出産は、東洋医学では「**気(き)と血(けつ)**を大量に消耗するできごと」と捉えます。気は体を動かすエネルギー、血は体を栄養し精神を安定させる基盤です。
出産・授乳・慢性的な睡眠不足によって、この「気血」が著しく不足した状態になります。東洋医学では、血が不足すると**「血虚(けっきょ)」**という状態になり、気分の落ち込み・不安感・不眠・動悸などの症状が出やすくなると考えられています。
鍼灸治療では、「三陰交(さんいんこう)」「足三里(あしさんり)」「血海(けっかい)」などのツボへのアプローチで、気血を補い精神の安定をサポートします。産後のケアに鍼灸を取り入れている院も増えていますので、興味のある方は探してみてください。
妻が産後うつ傾向にあるとき、パパとして何ができるか。整骨院で産後ママを多く診てきた経験と、自分が実際にやってみたことをまとめます。
「大変だったね」「そうか、それはつらいね」とただ聞く。解決策を提示したり、励ましたりするより、まず「聞いてもらえた」と感じてもらうことが大切です。
妻に「どうしたら楽になる?」と聞いたとき、「何も解決しなくていいから、ただ話を聞いてほしい」と言われました。これが一番の気づきでした。
「何かあったら言って」ではなく、「夜中の授乳後のオムツは俺がやる」と具体的に決める。ママが「お願いしなければいけない」という精神的負担を減らすことがポイントです。
週に1〜2時間でいいので、ママが何もしなくていい時間を作る。赤ちゃんの世話はパパが引き受けて、ママには外を散歩してもらったり、ただゆっくりしてもらったりするだけで全然違います。
頑張っているのは見ているけど、言葉にしないと伝わらない。「毎日ありがとう、すごく頑張ってくれてる」と口に出して伝えましょう。
以下のような状態が続く場合は、早めに医療機関(産婦人科・精神科・心療内科)へ相談してください。
「産後だから当たり前」「みんなやっているから大丈夫」と思って我慢する必要はありません。産後うつは治療で改善する病気です。早めに動くほど、回復も早くなります。
妻はその後、かかりつけの産婦人科に相談し、カウンセリングを受けるようになりました。私も家事育児の分担を見直して、今は少しずつ笑顔が増えてきています。
パパも一緒に悩んでいい。一人で抱え込まないでください。
このブログを読んでいるパパ・ママの誰かの助けになれたら、本当に嬉しいです。